漆や漆芸、工芸全般に関する 「こだわり通信」
 
  
漆関連にたずさわる方や、つくり手の立場の皆さんから、
工芸ファンの皆様にお届けする、
      漆や蒔絵の魅力をお伝えします「うるし通信」です。


 内容
 「ジャパンと蒔絵」
 「縄文時代の漆」

予告
「ヨーロッパの工芸技術継承の現状」
 




このページtop ネット公開2009年で15年目=漆ネット=


陶器はチャイナ、ジャパンは漆器をあらわす ?

 近世・近代と云われる時代、中国製の陶磁器がヨーロッパによく輸出され磁器の国として、ヨーロッパでは磁器をチャイナと称しました。 これと同様に漆器(特に蒔絵が施されたもの)が宣教師らによりヨーロッパに紹介されて以来、蒔絵の魅力が伝わって、日本から多く輸出されるようになり漆器の国として、100年以上前には欧州では、漆器をジャパン といわれていたそうだが、それも定かではなく、一部のコレクターや取引される話の中で、日本的な装飾美としてまたその当時の欧州でのジャポニズムが流行中で、日本的なものとして、そう言われたであろうとした事が、いまだに日本で言われています。 けれども 現代では、JAPANが「漆」や「漆芸」を意味しているとか、英国の辞書にそれらしく書いてあるとか、色々言われ ていますが、海外の人たちは???です。 確かに漆というより、蒔絵をはじめとした繊細な技術による漆芸は、日本ならではの特徴があり日本的な装飾美です。 JAPANが「漆」というのは、日本人がそう思ってもらい願望からくるでしょか。 それよりも、漆をジャパニーズ ラッカーと言うのは、控えたいものです。 私は、漆は「URUSHI」蒔絵は「MAKIE」と紹介したいと思っています。

蒔絵は日本文化が育てた工芸

 日本の伝統工芸は蒔絵だけでなく、 染織・金工・木工・陶磁など沢山あるが、日本的な工芸意匠の粋を示す物は蒔絵と いっても過言ではないでしょう。
 漆器に本格的な蒔絵がほどこされるようになったのは、奈良時代頃からです。 経典を入れる箱や大名の婚礼道具・晴れの儀式に用いられる生活諸道具・文具 ・茶道具・印籠・女性の櫛こうがい等、その時代ごとに意匠のはやりや文化を表し ている。日本人のあこがれの工芸であったはずです。














縄文時代の漆器
 
 近年の遺跡の発掘で、古代史を塗り替えるような発見が報じられています。 特に縄文期が、以前考えられていた以上に時代をさかのぼるのと、文化程度 が高く建築物や出土物等に関心が寄せられています。その中でも興味がひか れるのは、日本最古といわれる約六千年前の出土漆器「赤漆塗櫛(くし)」です。 それは石川県の三引(みびき)遺跡の発掘による物で、その時代に漆がと云う よりも、その漆塗りの技術が注目されます。
 漆器文化財科学研究所の四柳先生の研究分析によると、その櫛には4層の漆 塗りの形跡があり、下層は弁柄漆で塗り、貴重な朱漆は上層部だけに塗ってあり しかも、層の中には研ぎ面のあとが見られたとの事でした。
縄文前期の人たちは、すでに色漆の調合・研ぎを含めた塗りの技術を持っていて、 櫛や耳飾・腕輪などの装身具、鉢や皿などの容器、祭事の道具などを盛んに作っ ていた事が、わかってきたのです。
 日本では、こんな昔から漆の魅力を感じまた大切にして来たのだと思うと、あら ためて”うるしの普遍性”に驚かされます。  

 
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